https://datatracker.ietf.org/meeting/117/proceedings
7/22から7/28まで開催されていたIETF 117 San Franciscoに日本からリモートで参加しました。前回のIETF 116 Yokohamaの開催後、ISOC日本支部によって開催されたIETF116報告会において、参加した感想を発表させていただきました。
その発表内で「参加記を書こう!」と宣言したのもあり、こうして117の参加記を書いています。なるべく今後も参加記は書いていこうと考えています。
以下で言及するWGについては、基本的にはsessionの部屋に入って議論を聞いてはいましたが、ここでまとめ直すにあたっては基本的には議事録を参考にして書いています。英語のリスニングスキルがポンコツなので……
https://datatracker.ietf.org/meeting/117/session/quic/
quic wgにおいては、前回の116 Yokohama以降の大きな出来事といえば RFC 9369 QUIC Version 2 が出たことでしょうか。
https://datatracker.ietf.org/meeting/117/session/moq/
moqはQUICを用いたメディア転送に関するプロトコル、Media over QUICを策定するためのworking groupです。今議論されているのはMedia over QUICそのものの仕様をどうするか、という点ですね。まだmoq wgからRFCは出ていません。116もそうでしたが、moqはセッションが2回ありました。なぜなんでしょうか。
draftを読んだりミーティングを聞いたりして感じたことは、やはりメディア転送についての知識が必要になるなということです。本当に難しい。別に他のWGの内容が簡単で理解できるという訳ではありませんが。
https://datatracker.ietf.org/meeting/117/session/tls/
TLS WGにおいて前回からの大きなUpdateといえば、個人的にはdraft-rsalz-tls-tls12-frozen-01がでてきたことでしょか。
https://$ORIGIN/.well-known/origin-svcb
で取得できるようにしようというdrafthttps://datatracker.ietf.org/meeting/117/session/mls/
E2EEなメッセージのやりとりをどうするかについてのWGです。
https://datatracker.ietf.org/meeting/117/session/ccwg/
ccwgは輻輳制御に関するworking groupです。もともとcongressという名前だったのが、ccwgに改名されました1。
https://datatracker.ietf.org/wg/httpapi/documents/
普段はこのWGの動向は追っていないのですが、 Kaigi on Rails 2021でohbaryeさんが発表してくださった「Safe Retry with Idempotency-Key Header」で紹介されている draft-ietf-httpapi-idempotency-key-header がagendaにあったので参加しました。これは一度expiredになってしまったのですが、つい最近03が公開されて再度activeに戻っています。
むずかしいですね。
https://mailarchive.ietf.org/arch/msg/congress/rHNowIkEJt8SZy4PkUYzAt2c0nw/ congressという単語よりccwgのほうがclearだというのは、確かにそうですね。 ↩